2014年7月10日木曜日

台風もこれといった被害もないまま逸れて、安心していたのもつかの間、打ち合わせの時間をすっかり忘れていた。ギリギリに到着したものの、先方が時間を30分早く勘違いしていたのでよかった…ある意味、どっちも抜けているのだが。

問題の場所の明治時代からの字図や、昭和30年代からの航空写真を眺めていくと、街が『シムシティ』のように造成されていく過程が分かる。体育文化館が野球場だったとか新たに知る発見も多い。

朝食とお昼を兼ね、今日も「よしだ屋食堂」に行こうとしたら、すでに外で待っている人までいたので諦め、「らーめん砦」へ。
ここの貝白湯スープなら、脂ぎったラーメンが食べられない母親でも食べれると確信していた。それはまさに的中して喜んで食べていた。
今日はあえて冒険して「華麗」という文字通りなカレーラーメンを食べる。見た目は濃そうだが、味は思いの外あっさり目で、麺を食べきったあとはご飯を投入してカレーライスとして食べれる一粒で二度美味しい。が、いささか炭水化物を摂り過ぎた。

今夜、二度目の上映会を予定していたのだが、先生の仕事の都合でお流れ。次回は僕が佐世保に帰ってきてからのタイミングになった。東京でいろいろ見てきた刺激を持って帰ってくるぞ!

時間ができたので「喫茶 てげてげ」に行ったら、思わぬ身近なところでチケットの買い手が見つかる。今回の件で思いの外、ネットが役に立たないことを痛感した。さて、あと一枚をどうするかな。

前から気になっていた早岐の「エーデルワイス」にはじめて足を踏み入れる。


アメリカの映画なんかに出てきそうなモーテルを思わせる外観で、中は昭和の喫茶店をつよく感じさせる雰囲気。グッピーなどの熱帯魚の水槽とすくすくと伸びた観葉植物が目立つ。


この「エーデルワイス」の特長として、喫茶、洋食だけでなく、中華まで同居しているところ。
喫茶店らしく、ドリアそれもスペシャルドリアと銘打っているので、特に考えもせず注文して出てきたものを一口食べてみて、ビックリ!ホワイトソースの中から出てきたのは、なんとチャーハンであった。美味しかったけど、おかげで今日はかなり炭水化物を摂取してしまった、ブヒブヒ。

妙に厨房が広かったり、夜22時ぐらいなのに一人でカウンターに座りハンバーグ定食と『ビッグコミックスピリッツ』みたいなマンガ誌を読み耽るおじさん、近くにスポーツ施設があるのかジャージ姿の若者たち、スパンコールが眩しいご婦人と客の様子を眺めるだけでも楽しい。各テーブルにSecret Ballなる占いマシーンまで置いてあったり、こうして長く営業している喫茶店ならではの“味”がとても良い風合いが出ていて楽しい。また行こう。

2014年7月9日水曜日

もう7月に入ったというのに、5月に行った広島・尾道旅行についてようやく書き上げたのでよかったら読んでみてください。尾道の新しい息吹を感じるとても楽しい旅行でした。

http://shinriw.blogspot.jp/2014/05/blog-post_25.html

http://shinriw.blogspot.jp/2014/05/blog-post_26.html

2014年7月8日火曜日

台風の影響で、湿度がすごいことになっている。これではさすがにたまらんと、今年初めての冷房を解禁。

たまたま点けたCSのチャンネルNECOで『大幹部 殴り込み』という映画がやっていたので部分的に観ていたら、パチンコ屋のシーンでBGMとしてハニー・ナイツの迷曲「オー・チン・チン」が流れていてビックリした。



あの小林亜星のペンによる「オー・チン・チン」は、1969年の6月に発売され、この『大幹部 殴り込み』が公開されたのが同年の8月だから、まっさらの出たばかりの新曲だったのだろう。いやはやビックリした。

2014年7月7日月曜日

次の日曜にあるレキシのライブに友人2人が行けなくなったので、知人やネットなどを駆使し、行ける人を探すがなかなか見つからず。
以前、レキシを呼んだ「mooks」に行くも空振り。「Cafe & Bar LAST」でのはじめての晩ご飯。マスターに行きそうな人を聞きつつ、佐世保のカルチャーシーンから友人の彼女の様子という身近な話題まで、あれこれ話す。この感じがすごく居心地が良かった。

帰る駐車場までの道すがら、ものすごい雨に遭う。靴からズボンの太もも近くまでずぶ濡れになる。やや体調を崩し気味なので、悪化させぬよう気をつけねば。
思えば今日は七夕だったが、星どころが豪雨という思い出となった。

2014年7月6日日曜日

くたくたになって朝6時過ぎに寝たのに、昼前の11時にすっきりと起床。疲れていたのが安眠に作用したようだ。

明け方に降っていた雨は雨脚をつよめ、S原はさながら嵐を呼ぶ男状態である。

まだ帰るまで少し時間があるので、彼の思い出のお店「ケバブ スタンド プラス」へ。思えば彼が佐世保を去る時にも一緒に立ち寄った覚えがある。まだ半年も経ってないけど、こうして再会の場面に立ち会えて、こちらも暖かい気分になる。

五番街のスタバに移動して、お休みのてげてげさんがわざわざ時間を割いて会ってくれた。披露宴の裏話とかいろいろおもしろい話が聞けたし、新入社員のS原にとって、ためになる話をしてくださった。

土砂降りの中、駅方面へと行くS原とお別れ。また来いよ!なんならずっと居ていんだぞ!彼にとって佐世保が帰る場所となっているのが、市民としてはとても嬉しく思う。

お別れした後、TSUTAYA BOOKSで本を購入。

  • d design travel 福岡
  • 燃えろ! 新日本プロレス エクストラ 猪木VSアリ 伝説の異種格闘技戦

『d design travel』は、バックナンバー含めて、ふだん置いていないのに、福岡編はしっかり置いてある辺りが、佐世保は福岡の影響下は避けられないのだよなぁ。『燃えろ! 新日本プロレス エクストラ』は、いままで完全版は未ソフト化だった猪木VSアリ戦が付録という形でついにパッケージ化!これは見逃さない手はない。

週末のイベントも終わり、ホッとしたせいかとても眠かくなったが、早く就寝すると夜中に起きそうになるので、どうにか眠気と戦いながら夜を過ごす。

2014年7月5日土曜日

結婚パーティーは披露宴の後の二次会なので、夕方まで時間がある。仮装の仕上げに100円ショップで赤いタオルを買い、「バードモナミ」で休憩。

「バードモナミ」と言うと、その巨大なサイズのコーヒーゼリーが名物であるが、個人的にはこのババロアを推したい。久しぶりに食べると、これがまたいと旨し。

結婚パーティーの会場は「Esu and Kei」。早めの到着も、すでにてげてげ側の参加者らは仮装でスタンバイ。『ダウンタウンのごっつええ感じ』より、ミスターベーターに、猫、犬、ウサギといった動物、『魔女の宅急便』のキキに、『時計じかけのオレンジ』のアレックス、『アナと雪の女王』、チアリーダーにバレリーナに魔女に猪木。意外にキメキメで来たのが、旦那さんがデザイナーのご夫婦。パイロットに空港整備士。手作りでここまでキめてくるとは恐るべし。仮装コンテストはなかったけれども、今日のMVPはこのお二人だろう。

新郎側の参加者も続々やって来て、人でごった返す。
そして、サプライズ的に駆け足で飛び込んで来た、鹿児島に帰っていったかわいい後輩S原。てっきり来れないと思っていただけにまんまとハメられた。しかも誕生日プレゼントまでもらい、生まれてこの方、後輩といったものを持ってこなかったので、ここまで気を利かしてくれたのもすごく嬉しかった。

披露宴でも上映されたスライドショーに思わずこっちもグッと来る。まだ出会ってから日が浅いというのに、もう何年も一緒に行動を共にしてきたように感じるほど、これだけ打ち解けて気心のしれる、てげてげのお仲間に出会えて、とても多幸感につつまれた。

三次会の会場であるカラオケ店まで、コスプレ姿のまま練り歩く我々一行。

カラオケというか歌うのが大の苦手である僕にとってカラオケは苦痛であるのだが、てげてげの方はそんな無理矢理押し付けることもなく、ゆるくやってくれるのがとても居心地がいい。

朝、6時までカラオケで騒いでお開き。すっかり明るくなったが、つよい雨の中、急遽泊めることになった、S原と一緒に帰宅。楽しい夜だった。また次の集まりが早くも楽しみである。

2014年7月4日金曜日

昨夜、仮装グッズの一式が届いたその夜、芸人の春一番の訃報を知る。
アントニオ猪木のものまねのパイオニアとして、戯画化された猪木像を創り出し、その影響力は、後に同様の猪木のものまねをする芸人というフォロワーを生んだことでも明らかだろう。
それにしても、アルコール中毒からの肝硬変へと至ってしまう様子は生々しく、吾妻ひでおの近作を読んでいるので、尚更、恐怖感と実感をもって受け止めなければならない。お酒はほどほどに。

そして、今回、仮装するのはアントニオ猪木である。猪木のマスクに、上半身は筋肉Tシャツを着用するという完成度の低いものではあるが、ささやかながら春一番への追悼も兼ねて挑みたいと思う。

2014年7月3日木曜日

早朝、閉めきった窓越しにでも感じる土砂降りの音。
梅雨入りしても、まとまった雨が降らなかったのでいい機会だと思っていたら、テレビをつけて“50年に一度の記録的大雨”という文字に驚く。佐世保は実感としてはそんな感じはしないが、長崎駅の線路が水に浸かっていたりする様子が映しだされたり、竜巻発生のおそれと報じられると心配になってくる。今日の上映会は中止も覚悟したが、午後には小康状態になったので、予定どおり決行する。

夕方に、駐車場に自生しているミントをモヒート用に採取し、五番街のエレナでビールなどの買い出し、オーナーが代わり人当たりも良くなった「Esu and Kei」で注文していたオードブルを受け取り、先生を拾い、購入したスクリーンが、天井からぶら下げるタイプなので高さを調整に少し手こずりつつも、どうにか設置完了。スピーカーの配線、先生が持ってきたプレイヤーがDVD専用だったので、流そうと思っていた『トラック野郎』を急遽、DVDの方に変更などの微調整を済ませ、ついに上映スタート。

本日上映した作品は『トラック野郎 望郷一番星』、『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』という、追悼・鈴木則文監督二本立て。

数年前に「カナザワ映画祭」での前夜祭で金沢城公園の敷地内で屋外で観たとても記憶につよい『望郷一番星』。あらためて観ると、エロにも笑いにもパンチが効いているし、トラック野郎達の熱い友情にもグッと来る、シリーズでも上位に来る完成度ではないだろうか。

時間にまだ余裕があったので、もう一本『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』。とりあえず目についたのでチョイスした『女番長』シリーズの中でも、一際インパクトのあるオートバイファックのシーンがあるとは思わなかっただけに、これには爆笑が起きる。

どちらかと言えば、洋画派だという先生のお口に合うかどうか心配ではあったが、とても楽しまれたようで良かった。この時代の作品ってまだまだ知られていないし、そういうのを草の根的に広まるとおもしろいなと思う。

スクリーンも値段の割にはなかなかの大きさだし、もっと前からホームシアターのシステム組めば良かったと思うほど素晴らしく感じだ。借り物じゃなくて、自分用にプロジェクターも買わなきゃなぁ。

2014年7月2日水曜日

土曜に行われる「喫茶 てげてげ」のお仲間さんの結婚パーティーに合わせて、余興として仮装グッズを探していたのだが、福岡のハンズやLOFT、佐世保のドンキなどを見るも、いまいちしっくり来るのがないので、結局ネットに頼ることにしたのだが、注文したのが遅かったためパーティーの日までに届くのか、けっこうギリギリな状態。

そんなちょっと落ち着かない状態で、真っ先に届いたのが同時注文したスクリーンだったというので、正直ガクッと来たが、先生からちょうど上映会しようよとお誘いいただいたので、急遽、明日決行することに!これは楽しみ。

2014年7月1日火曜日

今日から7月。2014年も下半期に突入。

夕方から「喫茶 てげてげ」で、いろいろとおもしろい話を聞く。
今日はなぜか馴れ初め話というか恋話とでもいうか、いろいろなことが聞けておもしろかった。感情というものがいつ変節するか分からない。最初のインパクトであったり、乗せられてちょっとした些細なことがきっかけであったり。冷静でちょっと冷たく見えて、実は情熱家であったり。恋愛って不思議だなとつくづく思った次第。

2014年6月30日月曜日

昨日、悪ふざけで撮ったとある写真について直接ではないが、間接的に否定されてしまい、なんだか気分を害する。こっちからすれば、本人が楽しんでやっているからいいじゃないかと思うのだけど。未来ある真っ直ぐな若者を屈折したこちら側に引き寄せてはいけないなと自省する。

2014年6月29日日曜日

朝から荷物を積み込み、「喫茶 てげてげ」てげのいち「蚤の市」へ。


梅雨どきなので雨天のおそれもあったが、いざ蓋を開けてみれば、初夏を思わせるピーカンな空模様。てげのいちの出店者や、てげてげの常連さんが出した味のある品々を、物々交換のように買ったり買われたりしていく。自分が手放した品物が回りまわって、また自分のところへ戻ってくる、そんなこともあると面白いな。

川沿いで、お手製のかき氷を食べたり、おもちゃのギターを振り乱して弾いたり踊ったり。なんだかCMに出てきそうな良い休日を満喫できた。

打ち上げは五番街のスシローを1時間待ちで入店。先人の方の面白い話に耳を傾ける。
三々五々に別れ、なんだかいい気分だったので、そのまま帰るのも勿体無く感じ、ツタヤブックストアでスタバのコーヒーを飲みながら本を物色。鈴木則文追悼特集の『映画秘宝』と、有村架純の写真集に見えるが、内容は80'sのファンシーなものを集めた『ファンシーメイト』を購入。

  • 映画秘宝 2014年 8月号
  • 竹村真奈、ゆかしなもん所長 / ファンシーメイト
海に面した五番街の階段に座ってたり、辺りをうろうろと歩いている人々の姿を見ていると、数年前に訪れた、夏の釜山の夜を思わせた。ちょっとギラついたリゾート感覚って、案外キーワードになりそうな気がするな。

2014年6月28日土曜日

明日、「喫茶 てげてげ」の「てげのいち」の別バージョンとして、初の試みとなる「蚤の市」に出店する物を選別しなければならないのだが、いろいろと立てこんでしまい、結局、母に任せることに。使っていないけれど今はもう手に入らない焼き物になりそうな気配。


夜は、「Cafe & Bar LAST」の6周年アニバーサリーパーティーへ。その前の腹ごしらえで、前から気になっていた「木炭屋」に行く。


なかなか味わいのある店内の佇まいも良かった。今度、じっくり腰を据えてまた訪れてみたい。

久しぶりの「LAST」は、すでにDJタイムでお客さんも出来上がっていて、賑やかに楽しくお祝いしている。
今日のお目当てでもあるChocolat & Akitoのライブから参加する。はじめて観る片寄明人さんは、思っていたよりがっちりとしていて骨太な印象。ショコラはMCで発せられるヘリウムガスを吸ったような声と、歌声のギャップに驚くが、何よりも頭の先からつま先まで、“かわいいオーラ”が光を放っていた。
Chocolat & Akitoは一作目しか聴いていなかったので、それもずいぶん前だったので、想像していた感じとはちがうラフなイメージ。ショコラのソロやGreat3、フジファブリックのナンバーまで飛び出し、心地よい時間が流れる。それに二人の仲睦まじい、けれど結構どぎついツッコミ「(ショコラの声について)変な声でしょう?」、「ときどき僕もイラッとするんですけど」を入れる明人さんに対し、ショコラも負けじと、「やっぱり、ロックは前髪だ」という話を持ち出し、前髪がほとんどないヘアスタイルの明人さんを弄ったり、ヤクルトを一気飲みするんじゃなくて、舌で音を出しながらテイスティングするように飲むのをやめてほしいとか、夫婦漫才のような掛け合いに和やかな笑いが巻き起こる。

聴いたことなかった新曲もとても良かったので、CDを購入し、ショコラにかわいいサインを入れてもらい、二人と写真を撮ってもらう。

ISSEIのヒューマンビートボクサーを酒を呑みながら腰を揺らす。

一旦、退出してコンビニで買ったビールを、バス停のベンチで飲みながらあれこれ話すこの感じ、なんだかアジア的な光景だなと思いつつ、飲み干す。

戻った頃には、Small Circle of Friendsのライブがはじまっていた。Roger Nichols & The Small Circle Of Friendsから由来するユニット名にソフトロックなイメージを勝手に抱いていたが、ラップを取り入れたメロウな楽曲に意表を突かれたが、これはこれで乙なもの。クラムボンもカヴァーした代表曲「波よせて」も聴けて満足。

ライブが終わる頃にはすでに時刻は2時をまわっていた。明日の「蚤の市」もあるので、早めに切り上げて歩いて帰宅することに。
夜道を歩いている途中、ケバめな若い女性からいきなり声をかけられて、驚いていると、目の前に上半身裸で横たわる男の姿が暗がりでも確認できる。すわ、なにかヤバい事件の気配!?と、嫌な予感を抱きつつ様子を伺うと、どうやらたまたま通りがかっただけで、どうしようかと困惑しているだけだった。後から歩いて来た酔っている青年をつかまえ、警察に電話をかけてもらう。そのやりとりが聞こえたのか、男はむくりと起き上がり、ふらふらと千鳥足で去っていった。
その様子をあっけにとられつつ眺めながらも、どこかホッとしたのか、「あ、お疲れさまです」みたいな妙な挨拶をかわし、それぞれの方へと別れた。
共同体とか横の繋がりが薄れて、薄情でギスギスした社会になりつつある昨今。と紋切り型で語られがちな世の中ではあるけれど、ほったらかしにするでもなく、金目の物を物色するでもなく、心配をする人(単に家の前で迷惑がっていただけかもしれないが)がちゃんといて、日本もまだまだ大丈夫と思ったりした。

帰宅したら注文していた冨田ラボが選曲したCDが届いていた。本日の戦利品。

  • Chocolat & Akito / Duet
  • V.A. / Nagara Music Summer selected by 冨田恵一
それにしても、久しぶりに行った「LAST」は佐世保の数少ないカルチャーシーンをどうにかして育てようという意識を感じた。

2014年6月27日金曜日

身体の不調で早朝にベッドから飛び起き、恐怖と戦う。落ち着きを取り戻し、二度寝で起きる頃にはすっかり回復。こういう不調は本当にやめてほしいなと、自分の身体につよく言い聞かせてやりたい。

仕事で立会。どれぐらいやるかにもよるが、けっこう大規模な工事を要することになりそうな気配もするが…何はともあれ、被害が最小限で本当に良かった。

朝食の代わりに、今週も「よしだ屋食堂」へ。本日はミックスフライ定食。お昼時ということもあってどんどんお客さんが入ってくる。チェーン店でない、活気のある定食屋のこの感じがとても微笑ましい。

夕方に、「喫茶 てげてげ」で、いつもの方々と楽しい時間を過ごす。すぐ近くの中華料理「牡丹園」で、みんなde晩ご飯を食べる。
山っ気のある人間が地域の行政に入り込んで、山師的な振る舞いをすることに憂慮する。そういう人間は、きっとすぐにうまい汁を吸えないと悟ると、どこか別のうまい汁を探して他所へ行くに違いないのだ。

2014年6月26日木曜日

まったく赤の他人の持っていた品物に目を通していると、どこへ旅行に行ったとか、闘病している痕跡が伺えたり、さらに、今はもう建て壊されて存在しなくなった健康ランドの半券が挟まっていたりして、余計に切ない気持ちが強まってしまう。
何も日記を読んだりするでもなく、ただ私物を俯瞰して見ているだけで、プロファイリングって出来てしまうんだなと思った。

2014年6月25日水曜日

「喫茶てげてげ」で、1日遅れの誕生日ということで特別にアイスクリームをごちそうになる。


Sくんからもコーヒーをごちそうになる。どんどん中年へと差し掛かっているが、こういう時は誕生日もわるくはないものである。

そのながれで、気になっていた「まつ本食堂」へ。
おすすめしていたプレート的な日替わりはお昼だけで、夜は無いとのこと。
噂のカツカレーは家庭的ではあるが、なかなか本格的なカレーで、ボリューム感もあり、ストロングな一皿であった。

カレーや丼などを食べながら、人間関係のよくない職場の話を聞く。
そんな職場だったら毎日が憂鬱で仕方ないのも頷ける。どんなに嫌な人間でも毎日顔を合わせないといけないし、職場の人間関係をスムーズにするのが、仕事の効率もよくなるのかもしれないが、そんな事を平気で言うような人間とは一緒にいたくないという気持ちがよく分かる。自分だったら、どうだろうかと考えさせられる。

2014年6月24日火曜日

今日は誕生日。
いろいろあってFacebookと距離をおいているのだけど、次々とお祝いのメッセージが届くのは何だか照れくさいけど、嬉しくもあるのが正直なところ。

先週の続きで、某所へ伺う。
前回よりは少ないと言ってもなかなかの量で、土日の遊び・月曜の草取りで重たくなっている足にはなかなか堪える。

夜は近所のタイレストラン「nila KAMAL」で辛いタイ料理にヒーヒー言いながら、家族で祝ってもらう。思えば、去年もここでご飯を食べた気がする。


メニューが刷新されていて、新しく加わった有頭海老のガパオライスを食べる。ピリッとしてスパイシーに今年一年も頑張るぞ!

2014年6月23日月曜日

ひたすら楽しんだ2日間が過ぎると現実がやってくる。
ディスコでのダンスとライブでの立ちっぱなしで重くなった足腰に草取り業務は堪える。これからの季節がいちばんピークなので定期的に抜かなければいけない。

昨日、立ち寄ったセブンイレブンで買った、かっぱえびせん50周年を記念して復刻された「一番槍 こんぶしお味」が思いの外ヒット。母親が懐かしいと言ってぱくついていた。

2014年6月22日日曜日

心地よい汗をかいたせいか、不思議と安眠だった。寝具より、やはりコンディションだな。シャワーを浴び、先生のかっこいい車で博多駅で朝飯を探す。
年代物の車は主治医(メンテナンスする人)を先に見つけなくてはいけないというのはなるほどと思った。ブルブルと唸るエンジン音と振動が堪らない。
博多駅に着いたものの、まだ開店していないお店が多く、うろうろした挙句、地下街のベーグル屋で済ませる。先生とはここでお別れ。また僕の知らない面白い遊びを教えてもらおうと思う。

「東急ハンズ」でパーティーグッズを眺めるもこれといったものが見つからなかった。
歩いて駐車場へと戻ると、いままで気付かなかった家屋に20人近く外で待っている人の姿が目に飛び込む。一体何だろうと思い、待っている人に訊いてみると、なんと豚ステーキのお店だという。看板もなにもない、一見家屋だと思っていたその建物は、よくよく見ると入り口の塀に豚の形が掘られたロゴがあるじゃないか。何ともシャレが効いた佇まいである。「十一」、いつか行ってみなくては。

大橋方面へと移動し、「organ」の開店まで「ブックオフ」で物色して待つ。

  • あだち充 / いつも美空
  • あだち充 / スローステップ

どちらも一冊100円なのであだち充研究と称して計7冊お買い上げ。

organ」は葡萄畑というバンドや、フラット・フェイスというユニットで音楽活動もしていた武末充敏さんがオーナーのセレクトショップ。ここに訪れるのは二回目だが、以前より興味の幅が拡がっているせいか色々なものが目に留まる。とはいえ、おいそれと手が出せるのが限られるのではあるが。

  • 岡本仁 / ぼくの香川案内
  • Iwamura Ryuta / Monday Impression
  • Noritake / SBN

Iwamura Ryutaのアートワークを手がけた、Noritakeの個展があっていたそうで、いくつか残っていたかわいい商品の中からバインディングノートを購入。

天神へと移動し、ライブ会場を確認した後は「パルコ」などを眺めつつ、「LOFT」でパーティーグッズを見るが、これまたピンと来ず。そうこうしていたら、時間がなくなったので、「friscoバーガー」に向かう。


ここのハンバーガーをはじめて食べた時、これほどシンプルで旨いハンバーガーを食べたことがない。そう思うほど衝撃を受けた(違う意味でも衝撃を受けたのだが…)。正直、佐世保バーガーを有する佐世保市民としても完敗だとも思った。
60年代のアメリカを知るマスターが培ったクラシックなスタイルのハンバーガーは、炭火で焼き上げた肉は余分な油が落ち、見た目と反し、さっぱりとしている。炭の匂いがとても香ばしく食欲をそそる。塩と胡椒、それにマスタードのみで、ケチャップはお好みでどうぞというスタイルである。メニューはハンバーガーとチーズバーガーのみという潔さ。長らく下北沢で人気店だったというのも頷ける味である。ちょうどGIGAZINEで紹介されたのでこれから入りづらくなるかもしれない。九州のハンバーガー好きの諸氏、これは行かない手は無いですぞ!

本日のライブ会場の「the voodoo lounge」へと移動。ここは以前、SAKANAのライブで来て以来である。
まだ開場前で待っていると、肘の部分がぼろぼろになったカーディガンに、膝の部分が擦れて破れたジーンズを身にまとったジム・オルークがそそくさと降りていった。

前野健太とソープランダーズ、石橋英子 with もう死んだ人たちのダブルリリースツアーと題された今夜のライブは、同じメンバーを有する二人のアーティストの作品を堪能できるという、一粒で二度美味しい組み合わせ。

まずは石橋英子 with もう死んだ人たち。音盤ではクールで実験的な音楽を覗かせながらもポップな作品に落としこむ印象だが、ライブではメンバーである、もう死んだ人たちのキレキレの演奏の迫力にただただ圧倒されていく。もう死んだ人たちとは、デレク・ベイリー(ジム・オルーク)、ジョン・ボーナム(山本達久)、ジャコ・パストリアス(須藤俊明)、ストラディバリウス(波多野敦子)という、錚々たるメンバーのことで、今日は不在だが、キーボードは滝廉太郎が務めるらしい。この日は、石橋英子が弾きながら歌う。

後半、スペシャルゲストとしてマエケンが呼び出され(出てくるのが遅れたため、セックス中かな?と言われる)、二人で掛け合いのユニークな歌を披露する。まだ入手していない新作は二枚組で日本語と英語の2枚組仕様。日本語の歌詞はマエケンが務めているとのこと。リリースツアーなのに新作を忘れてしまったそうで、この日は入手できなかったのが残念である。
以前の楽曲を披露し、これまた音盤で聴いていたのとは印象が異なるテクニックの嵐に圧倒される。特に山本達久のドラムは以前も京都で見た時に驚かされたが、やはり凄まじいの一言に尽きる。こんな音楽的にも超一級な人たちの演奏を間近で接するなんて、これほどの贅沢は早々ないであろう。

休憩をはさみ、いよいよ前野健太とソープランダーズへ。
さっきのTシャツ姿ではなく、派手なシャツへと“正装”したマエケン、メンバーである石橋英子、山本達彦も着替えている。ジム・オルークはそのままなのがおかしい。
思えば、バンドとしてのマエケンははじめてで、ソロでは再現しづらいような楽曲をキレキレの演奏で肉体的に迫ってくる。その音楽に合わせるかのように、舞踏のような独特な踊りを繰り広げる男性が最前列へ。
思わず、マエケンも反応して、今日は彼の踊りに負けないように演奏したいと思いますと気合の一言。最前列で聴き惚れていたが、視界には彼の踊りが目に入ってきて、時折笑いがこみ上げてしまう。踊りまくる彼ではあるが、ものすごく物腰柔らかく、激しい動きをしているのにもかかわらず、隣にいた僕には一切当たることはなかった。

「オレらは踊る肉の朝」を演歌調にしたアレンジは、「矢切の渡し」などをテレビで歌うぐらい演歌にも傾倒しているジム・オルークならではか。



九州のリサイクルショップのエピソードを楽曲にした小品を披露したり、硬軟織り交ぜていく。メドレー的な流れからの「ねえ、タクシー」にはやられた。
そしてアンコールでおとずれる「東京の空」。いつかバンドとして生で聴きたかった楽曲だけあって、ただただその音に身を委ねていた。逆にソロではいつもやる「ファックミー」はやらなかったり、バンドとソロで楽曲のレパートリーが異なったマエケンの世界が楽しめた。最後の最後に、渡辺淳一追悼で「18の夏」を目の前で歌ってくれた。
「実は今日のメンバーでした!」と、踊りまくっていた男性を称え、「名前は?」と訊くと、男性が嬉しそうにはにかみながら答えたら、「あ、そう」と連れなく返すという、持ち上げておきながら落とすというマエケンのギャグでオチがついた。

ライブ会場限定の石橋英子さんのCDを購入。

  • 石橋英子 / tour only limited edition

終演後、近所のファミマからひょっこりジム・オルークがレジ袋をさげて出てきて、思わず「ジムさん!」と声をかけると、キョトンとした後「あ、どうも…」とシャイな反応が返ってきた。ウィルコのプロデュースで、グラミー賞を受賞している世界的なミュージシャンなのに、このあまりにも等身大な姿に改めて尊敬の念を抱いた。

それにしても、濃厚で刺激に満ちた福岡の2日間だった。佐世保でもこういう面白い状況が生まれればいいのだけど。

2014年6月21日土曜日

お昼。いつもお世話になっている、コーヒーゼリーが有名な「バードモナミ」で腹ごしらえ。あばずれの食べもん(©天野春子)こと、THE喫茶店メニューなナポリタンがとても懐かしい。


「喫茶てげてげ」で最近お見かけしなかった方とばったり。なぜかマンモグラフィーの話に花が咲く。

その足で一路福岡へと向かう。いま履いている久留米かすりのスニーカーがだいぶくたびれてきているので、購入した「gi」で新しいのを買い足そうと思ったら、なんともタイミングがわるく、この日はお休み。


コーヒーが好きで、ほぼ毎日1杯は飲んでいるのだけど、どこかとびっきりのコーヒーはどこかと訊かれたら、個人的にはこの「珈琲美美」を推したい。コーヒーによって、これだけ味と香りが違うのかと思い知らされる。少しつよくなった外の雨音と店内で静かなボリュームで流れているピアノの調べが相まって、とても美しい情緒を生み出している。

店内に『d design travel』のチラシやポスターが貼ってあるので、もしやと思い、チラシをよく見るとばっちり取材されていて、しげしげと眺めていたら、今夜ある出版記念パーティーでも淹れることになっているとマスターは仰っていた。日にちが被ってなかったら、そっちに行ってたのになぁ…。ちなみにこのお店はミュージシャンで「Tenement」というカフェの経営者でもあるINO hidefumiが好きなお店でもある。

案外時間がなくなったので天神には寄らずに、そのまま本日の宿であるゲストハウス「Tabicolle Backpackers」へチェックイン。


広めのマンションの一室を改装したような作りで、そこまで大胆な改装などではないが、きちんと清潔にしてある印象。強いていうなら喫煙所が屋上になっているという作りが特徴だろうか。

宿の近くにある、たまたま見つけた1泊800円のコインパーキングに停める。こういう駐車場の料金を比較できる報ってどこか便利なサイトはないだろうか。コインパーキングとか含めたら膨大な量だし難しそうではあるが、知らない土地に行く旅行客にはニーズがあると思うのだが。

ゲストハウスから博多駅までは徒歩移動。コンピレーションアルバムまでリリースしたことがある高級ホテル「WITH THE STYLE FUKUOKA」が目印。いつか泊まってみたい気もするが、福岡は日帰りで行けるからなあ…。

博多駅から地下鉄で中洲川端駅で下車。最新号の『BRUTUS』で紹介されていた「つきよし」に行くも、さすがのBRUTUS効果。予約一杯であえなく退散。

こうなったら『吉田類の酒場放浪記』で紹介されて以来、3回は訪れているあそこしかない!


まず付きだしがこれ。宮崎県産のウルメイワシ!


そして、メインディッシュがこれである!そう、おでん屋の「安兵衛」!
おでんというと、ラーメン屋や居酒屋のサイドメニュー的存在であって、あくまで主役ではない。それに寒い季節に食べるものと大体相場が決まっていたが、この一品一品を研ぎ澄まさせたような、「安兵衛」のおでんの味を知ってからは、おでんも燦然と輝く主役になり得るのだと思い知らされた。おでんは深い。年中食べれる。アスパラガスのおでんも素晴らしかった。
そして何よりこのお店の佇まいが居酒屋として完璧すぎるのだ。店内は古いけれど、変な匂いなどがこびりついてもいないし、とても清潔にしてある。
佐世保から急いで駆けつけた腹ペコの先生も合流し、おでんに舌鼓を打っていた。
そして、店内に貼ってある『d design travel』のチラシ。おそらく、ここも取材を受けているのだろう。これから入りにくくなるかもなぁ。

腹ごしらえを済ませた我々は、中洲へとナイトクラビング。




「福岡ディスコフェスティバル2014」という本格的なディスコイベント。
いままでディスコはおろかクラブというところにすら行ったことないダサ坊なので、実はかなり腰が引けていたのだが、先生からお誘いを受けていたし、何事も社会勉強は必要。それに「大人がワクワクしないで子供がワクワクするはずがない!」という一念で参加を決めた。

酒を片手に、すでに出来上がっているフロアに入り込む。Earth, Wind & FireやBoys Town Gang / Can't take my eyes off youといった、ディスコ世代でもなくても知っている、きらびやかなダンス・クラシックスに自然と腰が動く。
驚いたのが、定期的にディスコイベントが行われているわけでもないのに、一部の方たちが振り付けを交えてきれいに踊っているところ。これは全国共通なのだろうかと疑問に思い、先生に訊くと、地域によってディスコの踊り、それに人気曲なども違ったという。当然、ネットなどがまだなかった時代、ディスコカルチャーはそれぞれの地域で微妙な差異を持ちながら発展していっていたところが面白い。

いまのクラブDJとの違いは、ディスコのDJは曲を一瞬止め、合いの手のように挟む一言や煽りだという。そのノリの良さ、上手い誘導の持って行き方。ただ音楽を繋いでいくのとは違う、ディスコならではの享楽性なのだろうか。

箸休めとして、ゲストパフォーマンスの数々。


パワフルなダンスのミヨンセ!


可憐なエスティロ・カラメロ!


そして、天国から降臨!King Of Pop!バイコー・ジャクソン!!

ふたたびDJタイムへ戻り、trfやTKサウンド、パラパラまで流れ、ディスコ世代とは思えないセクシーなお姉さんが水着になったかと思えば、JJこと植草甚一を彷彿とさせる出で立ちの爺さんや、どう見ても●社会の人と思われる人も、皆等しく楽しそうに踊っているディスコという空間にこちらも酔いしれた。阿波おどりじゃないが、“踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々”である。

フロアを後にした我々は、「屋台バーえびちゃん」で一杯ひっかけようと思ったが、生憎見当たらず、近くの年中無休24時間営業のラーメン屋へ。


エネルギッシュな一日を締めくくるには持ってこいの一杯であった。

ゲストハウスに戻り、中国人と思われる若い団体客の賑やかな声のする部屋を通り抜け、家族で寝る二段ベッドの部屋を通路代わりに通り抜けた部屋が、本日の寝床。ぐらぐらするイケアの二段ベッドで疲れた身体を休める。

2014年6月20日金曜日

いまやネットで飲食店を探すのに欠かせない存在となっている、食べログ。
食べログへの賛否はよく聞くし、「何でもかんでも食べログの検索に頼るな、自分の嗅覚を大事にしろ」と都築響一さんが仰るのもよく理解できる。入ったことはないけどまずい店には入りたくないという、それは誰しもが思うことではあるが、たまたま入った店がとんでもなくまずい店だったり、変な主人だったり、すごい作りの店内だったりするという驚きの体験とは出会えないかもしれない。そういう負の体験は案外忘れないもので、頭の隅っこにこびり付いたりするものだ。食べログではそんな濃い体験とは縁遠い、一種のリスク回避に過ぎないのかもしれない。実際に佐世保にあるカレー屋は食べログのレビューに心を痛めている事例も知っている(この店が取った対策は撮影禁止)。
とはいえ、よく知らない地方へ行くときなどやはり便利なのは事実であるし、変なお店には入りたくない。我々の時間は限られている。時は金なり。タイム・イズ・マネー。という気持ちもよく分かる。
そんな食べログの指標とも言うべき、レビュー。そこには素朴な感想から、グルマンによる薀蓄交じりの批評もあるのだろう。そんな中にある種の“奇形”とでも言うべき、あふれだす自意識が止まらないレビューもとい“作品”の数々が、この素晴らしい形でまとめられている。

これが「食べログ文学」--“レビュー”という名の極上ポエムと私小説を堪能せよ

よくぞ、星の数ほどあるレビューから、これだけ純度の高い作品を発掘したという感じである。引き続き選考委員会の方には作品の発掘作業が進むことを期待したい。

2014年6月19日木曜日

昨日の夜、急遽ご連絡をいただき、はじめての業務にトライすることになった。
詳しくは書けないけれど、こういう事をしていると断片的な情報が堆積して、いつの間にかプロファイリングしているような気分になる。運動した後みたいに、久しぶりに全身汗まみれになりヘトヘトになったが、誰しもがなかなか出来ない経験が出来て、いろいろと勉強になった。このチャンスをいただけて、感謝の気持ちでいっぱいだ。

積み下ろしなどを終えると、かなり酔っ払った時みたいに足がふらふらとなる。手伝ってもらった母も今日は料理を作る気力はないだろうから、持ち帰りで「雲龍亭」の餃子とビールという最高のマリアージュを堪能。

今日の業務の関係で知った、井上青龍という、不慮の事故で亡くなった写真家の存在を知る。生前に発表された写真集『人間百景 -釜ヶ崎』は、神田にある某有名古書店では、ウン十万という高値が付いている。まだ知る人ぞ知る存在(すでに有名?)かもしれないが、もっと再評価が進み、復刊や展示会などされれば良いななどと思った。

2014年6月18日水曜日

朝から現場で立会。なんと、昭和30年代の話まで遡るのだから、まあとても気が遠くなる話である。こういう事はしっかりしとかないといけないな気を引き締める。

ばたばたしていて朝食を食べる時間がなかったので、朝食と昼食の間みたいな中途半端な時間ではあるが、朝6時からやっている「よしだ屋食堂」へ。今日は家ではあまり食べない、ひらすのみりん干定食を注文。


予想していたよりも甘すぎず、ちょうどいい塩梅。味噌汁は貝汁に変更。ほっとする港町の味。この季節でもおでんがしっかり置いてあるのも好感がもてる。小さなボリュームでブロッサム・ディアリーが流れていて、時間も相まって、とても心地よい空気が流れている。そうこうしていると、早めのお昼のお客さんが次々はいってきたので、速やかに退店。

諸々の用事を済ませ、夕方に、打ち合わせという名目の呑み会でふたたび街へ。
今宵も面白い話が飛び出した。ディスコはおろかクラブですら行ったことない身分からすると、ジュリアナ東京の、あのお立ち台に立ち、ジュリ扇を振りかざしていたギャルたちは何を聴いて踊っていたかという素朴な疑問に対する、答えは意外なことに“テクノ”だという。とはいえ、自分がイメージするテクノとは多少異なるであろう、ハードコア・テクノと呼ばれるジャンルだそうだが。
他にも某人物と実際に会ったことあり、僕が抱いている印象とブレがないところとかやけに面白かったし、リノベーションの話も尽きないが、今回はタイムアップ。

二次会で「エル・シエテ」へ。もうすでに良い感じでお酒がまわっているので、おすすめのサングリアをデザート感覚で嗜む。楽しくなってつい大声でバカ笑いしてたので注意されてしまう。俺、テンション上がると笑い声とかデカくなるからな…反省。

2014年6月17日火曜日

今週も「喫茶 てげてげ」へ。7月の上旬に素敵なイベントがあるのを知る。
しかも、人生初のあることに挑戦するかも?そのことに対してはあまり乗り気ではないのだが…。いずれにせよメンツからして楽しい夜になるのは間違いないので、今からとても楽しみである。

2014年6月16日月曜日

もっとも敬愛してやまないラジオ番組『菊地成孔の粋な夜電波』に於いて、先週のスペシャルウィークで組まれた特集「生誕51周年記念!菊地成孔をはぐくんだ邦楽たち。銚子・観音町から、新宿・歌舞伎町まで」で流れていた昭和の曲がどれも良かったのだが、平浩二の「バス・ストップ」が妙にツボにはまっている。しかもこの平浩二、佐世保出身だという。現在もご活躍されているようで、生でこの「バス・ストップ」を聴いてみたいなぁ。



それにしても、山口県岩国にある道の駅のステージでやっているとかアツいなぁ。

2014年6月15日日曜日

ディスクユニオンで注文していたCDが届く。意図はなかったもののブラジルしばり。

  • Radamés Gnattali / Brasiliana No. 7 & 8
  • Radamés Gnattali / Radamés Gnattali Sexteto
  • Andre Mehmari / ...De Arvores e Valsas

今日は黙々と入力作業。やっぱりまだまだブランクがあるから、やっていると疲労感がなかなかのもの。もっと回数を増やしてやっていけば疲労感も軽減するのかな。

夜、『行列のできる法律相談所』にモンドくんが出るのを教えてもらう。これでボギーさん共々一気に全国区になってしまったなぁ。佐世保にブッキングするのが難しくなるかもなぁ。いや、呼ぶ予定があるわけじゃないけれども。

『情熱大陸』今日は園子温。作風や過去に自分が語っているエピソード、伝え聞く話などで取っ付きにくい人物という印象ではあったけど、結婚して丸くなったのか、はたまた垢抜けたのか、思っていたより取っ付き易く、真面目そうな印象を抱いた。とはいえ作風はこれからも歪で尖っていてもらいたいもの。

まぁ、そんな心配も新作『TOKYO TRIBE』の特報を観るだけでも、杞憂に終わりそうである。

2014年6月14日土曜日

数日前から、『d design travel 佐賀』で紹介されていたお店と映画を観るという佐賀ツアーを計画していたのだが、朝に入った打ち合わせなどで出発時刻が遅れてしまった。

昼飯にと武雄の某南インド料理のお店に直接行くが、何とこの日は仕込みのために生憎のお休み。確かに前もって電話で聞いた方がいいのは確かなようだ。
そういえば『d design travel 佐賀』で紹介されていた「井手ちゃんぽん」は行ったことなかったことに気づく。しかも本店だから美味しいに違いない。

武雄温泉や武雄市図書館といった馴染みのスポットを抜け、ひたすら国道を真っ直ぐ進んだ北方という地域に入る。北方は武雄市に属するが、もともとは北方町だったそうで市町村合併で武雄市に編入され、北方町という町は消滅していることになる。そんな武雄からやや遠い位置の北方を走っていて、出てくる独特な看板。近くにも支店がある「牧のうどん」を思わせるようなロードサイド型のお店だ。


土曜のお昼時を少し過ぎた時間とはいえ、店内は満席という盛況ぶり。否が応でも期待が膨らむというもの。少し待ってから店内へ。


メニューには屋号のちゃんぽんだけでなく、丼ものや餃子、うどんもあるようだ。「牧のうどん」で、そばを頼むようなものであまり人気は無さそうなのだが、どうなんだろうか。それと長崎のちゃんぽん屋と違い、皿うどんが無いのもひとつの特徴と言えるのかもしれない。
腹具合がそこそこだったので、普通のオーソドックスなちゃんぽんを注文。


なるほどこれは旨い。特に何か際立って特徴があるわけではないのだが、これがシンプルで旨い。にんにくが少し効いているのと、塩加減が強すぎず、ちょうど良いというところか。こってりはしているのに何故かもたれない。また何度も食べたくなる優しい味。待っている間に話した老夫婦が、本店が一番美味しいと仰ってたのが印象的である。

ちゃんぽんを食べ終わり、『d design travel 佐賀』に載っているお店でお茶でもしようと思っていたが、そこまで寄ると映画の上映時間に間に合わない可能性が高いことが判明。今回はお店に寄るのを断念。そのまま佐賀市内へと直行する。

「CIEMA」の周辺である佐嘉神社の近隣を散策する。ぼろぼろに朽ち果てたお店や、昔、営業していたお店の跡…と思って近づくと、中で普通にテレビが点いていて営業していたりその境界線が曖昧な感じもある。婦人服店の店先にブラックモンブランのアイス冷凍庫が置いてあったのには、さすが佐賀が誇る竹下製菓のお膝元という感じである。「街なか かわらばん」というフリーペーパーが目を引く。これも尾道のような空き家再生プロジェクトに近いものだろう。福岡の影響をもろに受けている佐賀だけに、どうにか変えていこうと試行錯誤をしているようだ。佐世保も決して安泰ではないし、もっと良く、いい意味で変わっていければいいのにとはいつも思う。

「CIEMA」内にある「cafe CIEMA」でコーヒーと月替りのケーキ。梅酒をつかったチーズケーキ。甘すぎず、上品な味わいで美味しい。コーヒーも含めて、劇場内への持ち込みも可能みたいだ。ポップコーンとコーラじゃなくて、コーヒーやケーキを持ち込めるところが「CIEMA」のユニークなところだなぁ。


さて、観た映画は敬愛する大林宣彦監督の最新作『野のなななのか』。



一つ前の作品になる『この空の花 -長岡花火大会』が凄いことになっているという情報を得ておきながら、劇場公開時には行けず仕舞いだったので、なおさら今の大林作品を観てみたいという気持ちが高まっていたところに「CIEMA」での上映。そして劇場で大林作品を観るのははじめてである。

御年76歳となった、大林宣彦監督自身が死と向き合っているかのように感じられた。死を考えさせられることは生を考えるということでもあるように思う。本作品、いや、おそらく一つ前の作品である『この空の花』も、死と生の境界線が曖昧な、ある種のマジックリアリズムとでもいうべき作家性が全開した作品ではないだろうか。3時間の長尺も一向に気にならないまま、その熱量に圧倒とともに引き込まれていた。

冒頭からその突飛な演出が全面に出ており、いささか面食らったのも正直なところだが、それもミステリアスな鈴木家や信子の存在、それに芦別の大自然が織りなす美しい景色にどんどん引き込まれていく。

そして、大林監督が伝えたいこと残したいことを愚直すぎるほどストレートに描かれている。それは反戦へのメッセージだ。
領土問題などで緊張する北東アジア情勢、安倍政権の集団的自衛権の行使容認問題など、戦争への距離が近づきつつあるように感じられる昨今、この作品で大林宣彦監督が込めた平和への希求はとても力強く響いた。

観終えた後は思わぬ熱量を浴び、呆然とした感じが抜けないまま、パンフレットを購入。後でまた読んで、この作品を思い出したいと強く思う。

  • 野のなななのか パンフレット
佐世保へと戻り、小腹が空いたので久しぶりに「ブルースカイ」へ。毎回、食べるのを注意されてしまうが、それもこの店の“味”なのである。相変わらずの旨さ。

そのまま家に帰るのも、何だか惜しい気分なので(こういうところも込みでの劇場体験の良さだよな)、「cafe bar Algernon」へ。


エスプレッソを冷たくし、泡立てたこの飲み物が美味しかった(名前は失念)。
コーヒーを一口飲み、「苦い…けど癖になりそう」と『野のなななのか』で劇中に常盤貴子、安達祐実がつぶやくセリフをマネしたくなる。こういうところも大林宣彦監督って上手いんだよなぁ。

2014年6月13日金曜日

久しぶりにガッツリと入力作業に打ち込む。久々のせいか、思ってたよりずっと疲労感を憶えた。

ばあちゃんが外でご飯を食べにいきたいというので、夕方に街へと下る。お店は特に決めていなかったが、ばあちゃんの気分でイタリアンの「イオ・ロ・マネッジョ」へ。
まずはシャンパンで乾杯するも、つづいて僕が注文したのはビール。


佐世保でハートランドビールが呑めるのはこのお店ぐらいかも?あまり詳しくはないし、お酒に弱いけど、少し通ぶりたいような僕みたいな人間にはぴったりなビールである。しいて言えばフルーティで飲みやすいと言ったところだろうか。

特に美味しかったのはアラカブのアクアパッツァ。スーパーで売っているようなアラカブとは一回り大きい。


アラカブというと、みそ汁か煮付けか唐揚げかと大体相場が決まってしまうが、調理方法でこんな洒落た料理にもなるんですな。自分の中でのアラカブ観が変わった。

美味しかったけど、いささか塩っぱい料理もあった。お酒のアテにはなるけど薄味に慣れている我が家としてはちょっと気になってしまった。

帰りのバスを待っていたら、視界に光る棒状のようなものが通り過ぎたので振り返ってみると…


全身緑のスーツを着込んだヒーローの姿!戦隊ヒーローの海外輸出版『パワーレンジャー』のコスプレみたいだったが、さながら『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』のようで微笑ましかった。

2014年6月12日木曜日

「ほんだらけ」で頼まれていた本を購入。ついでに柳下毅一郎さんが責任編集した本を入手。

  • 実録 殺人事件がわかる本2010 SPRING

久しぶりに悪趣味系の本である。何かの嫌疑にかけられて家宅捜索したら、不利にはたらきそうな本である。この手の本にめっきり興味がわいたのは、豊田正義『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』を読んでからだろうか。あの読書体験はかなり体に残っている。

殺人事件のムック本を片手に、いつもの「喫茶てげてげ」に行く。常連さんの話から個人的にウォッチしている人物に符号するワードが次々に飛び出し、確認するとやはりその人物。思わぬところからの繋がりにテンションがあがる。しかも僕と違い、実際に会ったこともあるという。某SNSサイトにアップしているまんまの悪趣味な人間で、印象もすごく悪いのが面白かった。さらにそのお仲間のとんでもない悪評を聞くことになる。世の中にはこんなダメ人間がいるのだなとある意味励まされるが、自分はそうならないよう、つよく戒めねばならない。

それにしても今日はなんだか悪趣味づいた一日であった。

2014年6月11日水曜日

7/17より、池袋の「新文芸坐」で、先日亡くなった鈴木則文監督の追悼上映が行われることをツイッターでいち早く知り、早速、東京行きのチケットを抑える。

基本的に上映する作品は全部観ているが、まだDVD化していない『コータローまかりとおる!』、『伊賀野カバ丸』が楽しみ。その流れで見つけたこの映像がすごい。





JACがいかにもアイドル的な存在だったのも改めて伺える。鈴木則文監督の声も晩年しか知らなかったのでこの若々しい声にも驚く。この映像でエースと呼ばれる黒崎輝は引退して、沖縄でダイビングスクールをやっているし、真田広之はハリウッドでも活躍、志穂美悦子は長渕剛の嫁さん、新人として紹介される伊原剛志は、現在の朝ドラ『花子とアン』でお父さん役で活躍と人生、悲喜こもごもである。

何だかんだで一年以上ぶりの東京行きである。行かない間に、入籍しパパとなった親友にも会いに行かなくては。

2014年6月10日火曜日

ツイッターで流れてきたこの記事がすごく面白かった。

誰も知らない「キリスト看板」(聖書配布協力会)の真実!

街中で出くわすとギョッとしそうなインパクトを持っている「キリスト看板」。
黒塗りに印象的なフレーズが目に飛び込む看板のインパクトと裏腹に、そこまでカルトの香りはなさそうではある。
それでも、冗談交じりとはいえ、この一文にはなかなかインパクトがあったが。
最終的には、黒無地看板に黄色や白の点が一つ打ってあるだけでも「あ、キリスト看板だ」「これは聖書の言葉のやつだ」と人々に気づいて分かってもらえるくらいになればいいと思って作ってた とブローマンさんが半分冗談で話してくれた。 
このキリスト看板、とても興味深いのだが、実は見かけた記憶がない。沖縄県以外のどの県にもあるらしいのだが、このブログにも書かれているように九州はまだ「薄い地域」に属しているのかもしれない。

聖書配布協力会は宮城県にかつてあった松島米軍基地が活動をはじめた場所だそうだが、現在も米軍基地のある佐世保も、その手の勧誘に熱心そうな気もするが、そこら辺は以外と少ない気がする。モルモン教の勧誘はいまでもわりと見かけるのだが。

それにしても、この聖書配布協力会のホームページにあるPhotoギャラリーがとても良い。また知られざる昭和の側面を見た思いだ。

2014年6月9日月曜日

久しぶりに「喫茶 てげてげ」へ。
とても喫茶店で話すような話題ではないのだが、常連さんが話していた話にとても驚いた。
昔、テレビで奇人変人が出るような内容の『TVジョッキー』という番組で、なんとゴキブリを飲み込んだ猛者がいたという。ところが、その人が少ししてから腹痛で急死。司法解剖をしたら胃袋の中でゴキブリの卵がかえってゴキブリがうじゃうじゃ湧いて胃袋を食い破ったという話。

あまりにもグロテスクなパニック映画のような絵を容易に想像しやすいために広まった話のようだが、いざ検索してみると、Wikipediaのゴキブリの項目にも記述があるように、これはゴキブリの生命力とイメージが悪いために広まってしまった有名な都市伝説のようだ。
リアルタイムで観ていたであろう世代が信じてしまって、語り継いでいる辺りが都市伝説の都市伝説たる所以という感じで、こういうのをいちいち正すのは野暮というものではないだろうか。

2014年6月8日日曜日

広島で知り合った3人組の男女が岡山の「でえれ〜祭」という、とても面白そうなイベントに行ってる様子をInstagramで知る。
岡山出身のスチャダラパーのBoseが実行委員長を務めているのだが、この一文が素晴らしかった。
「地域のためになにかやる」とかっていうのは、なんか偽善的で、気恥ずかしいような気がしていたのですが、 どこの街にいっても行っても巨大モールとコンビニだけっていうような世の中は、やっぱりつまらないと思うので、 なんとかそういうものに抵抗できるような、バカバカしくて力強い「祭り」をやれたらなぁと思っています。」
アーティストやサブカル、芸人といったこれだけの面白いメンツを揃えれば、それはそれはきっと面白いお祭りになるに違いない。ただ仮初めのお祭りを持ってくるだけ、B級グルメが流行っているから新しいご当地グルメの開発といった安易な発想のお祭りとは、まったく違うとてもクリエイティブなお祭りだと思う。

主催を見ると、「もっと燃えろ岡山」というNPO法人が関わっているようだ。ラインナップの豪華さからいって、独立独歩でこういうお祭りをやるのはやはり難しいのだろうな。

大都市でない地方でこういう面白いお祭りが増えていくのは大変興味深いし、地方在住者として、とても刺激を受ける。
隣の芝生は青いと感じてばかりもいられないが、それにしても土壌がまだまだ出来上がっていないのだから仕方ないという諦観もある。徐々に考えていくしかない。

2014年6月7日土曜日

下京町という路地に「まつ本食堂」というお店が美味しいという情報を得る。気になったので早速ネットで調べてみると、通常のカレーと値段が倍のカツカレーが美味しいそうな。実家暮らしで自営業の我が家はあまり昼間にどこかで食べるということをしないので、佐世保ですら知らないお店が本当に多いのだなと自省する。お店の外観とかもまさに『孤独のグルメ』然といった佇まいで大好物だというのに(ま、敷居は高いのですが)。
ちなみに夜は居酒屋にもなるので、手始めに夜に行ってみようかなと思ってもいる。

2014年6月6日金曜日

NHK『ドキュメント72時間』 「恐山 死者たちの場所」を観る。
恥ずかしながら、恐山って別府のような地獄だと勝手に思っていたが、“死んだら恐山に行く”と東北で言い伝えられるほどの霊場だということを、恥ずかしながら思い知る。しかも温泉まであるとは。死者たちの場所としての恐山と真逆のような温泉が同居しているだなんて。

この番組の面白いところは、72時間の間に出会った市井の様々な表情にフォーカスを当てるところだ。原発に携わっているという男性は、住んでいた浪江町が立入禁止になってしまったため、仏壇へ手を合わせるかのように供養として恐山を訪れていたり、広島からやってきたという独身女性。本人のなかでは山ガールみたいな感覚でしょうと言う霊場ガール。普通に観光に来た様子な家族も、水子地蔵を前にすると奥さんの方が涙ぐみだす。自分が生まれる少し前に亡くなったという兄に、母になった自分をだぶらせ、思いを巡らせたという。
恐山というと、寺山修司のイメージが強かったけど一度は行って、その空気というものを感じてみたいと思った。とはいえ、そんな軽いお上りさんの気持ちで行くような場所でないことも知った。

2014年6月5日木曜日

NHK『探検バクモン』「伝説の廃墟 その名は軍艦島」を観る。
特別に許可をもらって軍艦島の建物内部などを探検するという、軍艦島上陸ツアーでは到底窺い知ることのできないリアリティにテレビの画面越しとはいえ、興奮してしまう。
生活の痕跡を感じさせる残された当時の家具やポスター。ふと落ちている新聞には、ピカソの死去を伝えるという内容に、月並みな表現だけれども、時が止まっていることを感じさせる。

廃墟と化した様子もさることながら、まだ住民が生活している当時の映像が何よりも目を見張った。顔を真っ黒にして戻ってきた炭鉱夫や、入浴している姿、主婦たちが歩いている街の様子。廃墟と化した映像は珍しくはないが、こういう生の営みを伝える映像ってどれだけあるのだろうか。もっと生活していた頃の息づかいを感じたいと思った。

2014年6月4日水曜日

新日本プロレス「BEST OF THE SUPER JR. XXI」の後楽園大会中継をネット観戦。何と言っても、エル・デスペラードVSケニー・オメガの一戦がとても良かった。

オメガの安定した試合運び、力強さに圧倒されながらも屈しないデスペラードの姿は解説のミラノコレクション・A.T.が言うようにデスペラードの所作の良さや佇まいには目を惹くものがあった。
レスラーは強さを感じさせるような説得力や技の魅力もさることながら、所作が大事なんだと思った。"力道山三世"力はその挙動から悪い意味で、いや、ある種いい意味でも話題になっていることからも明らかだろう。

そういう所作って身体能力だけではない、見られるという意識が大きいのではないだろうか。運動神経というものが欠けている男があれこれ考えたところでよくは分からないのだが。

2014年6月3日火曜日

夕方に突如招集を受け、特に予定もなかったし二つ返事でOKし、「鳥きん」で焼鳥をつまみながら佐世保を面白くするミーティングをする。

と、大げさに書いたが、ほろ酔い気分で楽しくなったので一方的にまくし立てただけだ。
尾道のようにダメだという視点(となっているのかは分からないが、勝手にそう感じた)に立ち、そこから頑張ろうというぐらいの気概が佐世保には必要だろうと思う。半端に経済圏であるが故の、胡座をかいている状況でリトル福岡のようでは面白みもないし、カラーがないだろうと思うからだ。

酔いにまかせて、一方的にべらべら喋ったが、ちゃんと決まったこともある。モオムさんのように毎月遊びのような会合を開き、年に一回旅行をするということでお開きになった。これは楽しそうである。

映画『永遠の1/2』でオール佐世保ロケの話をしていたら、ドラマ『特捜最前線』でも「佐世保の女!」という話が出たので観てみたいと思って調べたが、まだDVD化されてはいないみたいだ。それでたまたま見つけたのがこの資料。知らない作品も多かったので大変有り難い。

2014年6月2日月曜日

ツイッターを眺めていたら、イケダハヤトというブロガーが高知県に移住するということで話題になっているのを知る。

このイケダハヤトという人、ネット上では名前を見かけるが、ちゃんとブログを読んだこともないし、ブログで何をしている人なのかも知らない。よく、いわゆる“炎上”をしている人ぐらいの認識なのだが、今回の高知県移住も、その煽るような書きっぷりへの反発だろう、東京の人間から地方に対するネガティブな記事も出ている。的を射ている記述に悔しさもおぼえつつ納得もするが、どこのド田舎だよと反発すらおぼえる記述も中にはあってムッとしたりもした。

このムッとする感じは、自分がはっきりと地方側に立っているのだと気付かされた。
僕が東京を離れ、故郷の佐世保市民になって、気づけば10年も経っていたが、帰ってきた当初は何もなさに辟易して、ストレスを溜めては、年に3回は東京へと“帰って”いたほど、地元や地方への愛着がなく東京側の人間だった。
幅を利かせるヤンキー的なる気風への反発もあったし、アニメやマンガといったオタクカルチャーにも染まりきれない自分にとって、地方とはただの居心地の悪い空疎な場所だった。

そんな地方のおもしろさ、視座を与えてくれるきっかけになったのが都築響一さんだと思っている。先ほど亡くなった秘宝館や、昔の味わいを残す看板やスナック、大衆的な古びた居酒屋、ネガティブだったヤンキー的なるものへも興味へと変わっていった。興味や面白がるアンテナを増やせば、楽しいものっていくつもあるんじゃないか、そう捉えれるようになっていた。それ以来、東京よりも地方への関心がめっきり増えている。

去年、たまたま「喫茶てげてげ」で、こちらでも面白いことをやっている人々と出会うことが出来、ようやく佐世保にいる帰属意識のようなものも感じるようになった。
いまでもカルチャー面の弱さはとても痛感しているし、満足もしていないが、地方は言われているほど悪くないし、面白くなる可能性を秘めているとも思っている。

2014年6月1日日曜日


今日から6月。ディスクユニオンから坂本慎太郎の新譜が届く。

  • 坂本慎太郎/ナマで踊ろう
  • Edda Magnason/Monica Z

昼過ぎに「ギャラリー 海からの風」で中嶋夢元のおいしい器展に行く。中嶋さんがつくった美しい青のお皿に、奥さまが作ったベイクドプディングで魅力倍増。家は旅館を経営されているそうで、素人の習いごとではない事が伺える。

名切にある空き物件を見せる。プロジェクト化するかどうかは怪しいところだが、人に見せることで、あそこの物件が空いているよってことで広まれば。どちらにしても、手入れをしないとどんどん悪くなるなと実感。後半みた2つは予想以上に朽ち果てていて、素人がリノベーションしてどうにかなるレベルではなくなっている。

ここで解散し、ぽっかり時間が空いたので波佐見へ向かい、モンネポルトからmonne legui mooksへ。モンネポルトで置いてあるCDがまたいい感じだったので、気になっていたIwamura Ryuta/Sunday Impressionを購入。

  • Iwamura Ryuta/Sunday Impression
mooksの岡田さんから、Circleが来年もやることを教えてもらう。レキシも本当は参加したかったが、Zeppが決まっていたので参加できなかったそうな。

猫山ダムではTanaka Coffeeがホタル・ナイトコーヒーと題して、遅くまで営業しているので行ってみたが、なかなかの行列に断念。猫山ダムもこうばるほどではないが、なかなかの蛍が見えた。言われてみて気づいたが、昨日はダム反対の立場のお祭りで蛍、今日はダムの中での蛍鑑賞。何かの偶然だろうか。

2014年5月31日土曜日


ひさびさに「喫茶てげてげ」へ。旅の報告、広島、尾道で持ち帰った資料などを見せて面白さを語る。常連のお客さんでやはり佐世保をもっと変えたいねという話になる。現状でもいいんじゃないという方もいたが、いい部分はそのままに、今いる場所がもっと面白くなればなと思うのだ。その手段は定まってはいないのだが…。

熱く語りすぎたのか、アイスコーヒーにメロンのアイスまで食べて、体を冷やし過ぎたせいか寒気がして、ちょっと調子がおかしくなる。白湯で落ち着いてよかった。

夜になり、「地球屋」でチラシを見つけた、こうばる ほたる祭りへと繰り出す。第27回というからなかなか長いお祭りだ。佐世保の石木ダム建設予定地とされている場所柄、石木ダム建設反対の立場の方が主催しているお祭りのようだ。

会場の岩屋郷へは川棚駅から車で10分。体調不良もあって出遅れたため、着いた頃にはお祭りの終了時刻と被ってしまい、帰る車と僕らみたいに行く車が狭い道を離合できないため、にらめっこ状態が続く。何より、お祭りに来ている車が駐車場ではない路肩に停車しているのがさらに渋滞の元になっている。血管がつまるというのを映像に表したような状態ってこういうことじゃないかなと思った。お祭りが終わって歩いているおじさんが率先して先導してくれて助かったが、27回もお祭りをやっているのだから、交通整理の人がいるべきではないだろうか。規模の小さいてげのいちでも最低2人は交通整理を頼んでいるというのに。

不満はさておき、肝心の蛍の方だが、最初は疎らだなと思っていたが、川の方に近づいてみると、見事な蛍の数!それに川棚の山奥であるこうばるの圧倒的な星の数。出遅れたのが功を奏したのか、車がいなくなった分、くっきりと認識できる。なんとも幻想的な光景にただただ佇んでいた。この星空、真冬だったらさぞやすごいだろうな。

遅くなったので、帰りは「大阪王将」で餃子などを食べる。エンヤが流れたかと思えばSPEEDがながれたり予想できない選曲センスは時にスリリングで脱帽した。

2014年5月30日金曜日

ここ数年、東京からこちらへ戻ってきて、Facebookを活用したベンチャーを興している人物がいるのだが、そのことそれ自体はいいのかもしれない(明らかにFacebookに溺れすぎている感じはする)が、如何せん、本人が気持ち悪すぎて生理的にゾワッとする。

ゾワッとするなら話はそれまでだが、逆に自分の中の悪趣味を愛でるスイッチが入ってしまってFacebookの写真をチェックする始末である。そのナルシスト入った自撮りの数々にはたまらないものがある。向かう方向性とか目的はまったく違うが、その情熱は見習うべきものはある。

2014年5月29日木曜日

吉田秋生『海街diary』の実写映画化のニュースが飛び込んできた。

http://eiga.com/news/20140527/10/

とかく、マンガの実写映画化にはネガティブな話題がつきものだが、この作品は読んでいて、小津安二郎や向田邦子のような情感を感じさせる素晴らしい作品だと思っていたので、この実写映画化には違和感を感じない。肝心の監督も是枝裕和というから期待感が高まるというもの。来年の公開が今から待ち遠しいものだ。

2014年5月28日水曜日

2014年5月27日火曜日


浅野モオムさんが明日、岐阜に帰るというので、最後の晩をご一緒することになった。
「九州と言えば、原榮三郎さんという面白い人がいてね」という話になり、数年前に菊地成孔と南博「花と水」ツアーで炎の博記念堂で展示を観ていたことを思い出した。作品とその作家本人の強烈なルックスが記憶の片隅にあったのだ。有名なテレビ番組『11PM』に5分間ほど出演するのに気合を入れるためにでっかいステーキを食べたり、今日はフランス料理のフルコースを逆から食べましょうと言い出したかと思えば、赤いものだけ食べましょうと言ったりと、かなり強烈な人だったようだ。

今度モオムさんが佐世保に来る時は、原榮三郎の妹さんがやっているという、原榮三郎美術館にご案内しなくてはならない。

2014年5月26日月曜日

昨日より疲労感が残っていたためか、逆によく寝れた。
朝からやっている「パン屋航路」で出来立てのパンを頬張りながら、朝の取引をしている八百屋や魚屋の様子は、昼や夜とはまた違う尾道らしい風景である。


アーケードにはスタバやドトールではない、独自の展開をしている「尾道浪漫珈琲」というサイフォンで淹れたコーヒーが飲める喫茶店もある。


コンビニやドラッグストアといった大手チェーンが入り込んでいないのか、意図して入れていないのかは分からないが、「パン屋航路」や「Classico」、「あなごのねどこ」をはじめとした「尾道空き家再生プロジェクト」といった、新しい潮流で確かに変わりつつあるのを感じる。
まだまだ前の世代が大きな顔をして、世代交代がうまく行かない街とは大きな隔たりがあるなと痛感する。経済力が違うとはいえ、文化的に新しいことを試みる人が増えてきている街とはいずれ差ができるような気がしてならない。もちろん、無い物ねだりでブツブツ文句ばかり言っていても仕方ないので、どうにか面白いことを巻き起こしていければなと強く思った。

「あなごのねどこ」をチェックアウト。昨日、酒を交わした方々とお別れをする。たった一晩のほんの数時間しか顔を合わせていないけど、なんだかすっかり打ち解け合った気になるのが旅の醍醐味であり、ここ「あなごのねどこ」に集う人の良さなのかもしれない。


パンで軽くごはんは食べた気でいたのだけど、泊まり客から聞いた尾道ラーメンと呼ばれる以前から有名な「朱華園」の、焼きそばが美味しいという話を小耳に挟む。天候もあまり良くないので、歩いて観光という気分でもないし、後はぼちぼち帰るぐらいしか予定を立てていなかった我々は、急遽、「朱華園」に行くことにした。


これが噂の焼きそば。敢えて焼きそばを頼むというのもチャレンジではある。


いわゆるソース焼きそばとは異なる、オーソドックスな焼きそば。たしかにこれは旨い。


とはいえ、ここに来てラーメンを頼まないのは、やはり勿体ないということで、ラーメンもしっかり頼む。ちなみにこのお店では、ラーメンではなく中華そばと表記するのが正しい。この醤油の濃い味がたまらない。こうしてタイピングしている今、この瞬間、ヨダレを口に溜めながら、食べたくて食べたくて仕方がない。

駐車場の近くにあって、ジーンズをずらりと並べているディスプレイがインパクトがあった「ONOMICHI DENIM SHOP」に恐る恐る入ってみる。感じのいい店員さんというか任されている方の話をいろいろと伺う。これは尾道デニムプロジェクトの一環として開いたお店で、隣の岡山県はジーンズなど紡績工場で有名だが、実はここ尾道も紡績産業が盛んな土地ということで、デニムをPRしていきたいのだという。コンセプトとして、一年間、地元の様々な人に着せて着古した風合いを味わってほしいのだという。

さらに、その母体は、「ディスカバーリンクせとうち」という、「尾道空き家再生プロジェクト」とはまた異なる、尾道に根ざし、新しい風を起こそうとしている企業だという。山師が大手を振って、それに食いつこうとする人たちからは、どう逆立ちしたって出せないこのセンス。おっと、また悪口を言ってしまったが、そんな毒を吐きたくなるほど、この尾道が羨ましくて仕方ないのは正直なところ。


港沿いを走っていたら目についた、この倉庫をリノベーションした商業施設が、先ほどのお店の方が話してくれた「ONOMICHI U2」。

サイクリストの聖地と化しつつある「しまなみ海道」を有する尾道にオープンしたばかりだという。サイクリスト用にサイクリングショップもあれば、カフェにレストラン、バー、そして何と、サイクリスト用のホテルまで完備している。自転車をまともに乗れない身分ではあるけれど、それでもこの「ONOMICHI U2」はとても光り輝いて映る。




いま地方に注目を浴びつつあるように感じる一方、その注目を集める地方そのものの魅力の差があるように感じられる。自分の住んでいるところをなかなか複眼的に見れなかったりするが、こうして旅行して、その土地がものすごく魅力的に映るのはとても刺激を受ける反面、悔しく歯がゆい思いも一方である。この刺激をうまく地元に還元できればいいのだけど、なかなか自分の非力も痛感もするわけで…。何だか愚痴っぽい〆になってしまったが、この二泊三日は刺激だらけで、広島・尾道の魅力をさらに探求できた素晴らしい旅になった。また行くぞ!

2014年5月25日日曜日

今日は広島内での移動日。広島市内から尾道を経由して、今回の目的である「鞆の津ミュージアム」へ。宿は頭の中ではこれだという候補はあるのだが、まだ決めていないという状態。

昨日の運転の疲れが残っていたのか、朝食の時間まで起きれず、チェックアウトの時間ぎりぎりに出る。

広島から尾道へは高速を使うのと一般道とでは30分ぐらいしか違わないので、高速を使わず下の道で移動。途中、猫よりは大きめの動物の死骸をカラスが、その鋭いくちばしで生々しく肉をかっさばいてる様子を目撃する。昨夜、広島の繁華街でも狸に似た不思議な生き物がコンビニにいたり、野性味あふれる広島県を堪能している。

尾道に到着。路地からお寺や海が見えるのが尾道ならではの情景だ。


おもむろにアーケードを歩いていると一気に郷愁に誘われる。住んだこともない尾道という土地に魅了されたのは、好きな映画監督である大林宣彦作品の影響である。とはいえ、たまたまでもあるけれど毎年のように足を運んでいるのは、コンビニやドラッグストアがまだ無かった頃の佐世保のアーケードをどこか彷彿とさせるからなのかもしれない。




意図して排除しているのか、ただ店舗形態として合わないのかは分からないが、尾道のアーケードには所謂チェーン店がない。数年前に物心ついてはじめて訪れた時はシャッター通りのイメージもややあったが、今回訪れてみると、新しく、それも素晴らしいお店が増えつつあるのに驚かされた。



ハード系のパンとベーグルがとても美味しい「パン屋航路」。正直、佐世保でここより美味しいパン屋はないのではと思うほど。店名はおそらく尾道に旧居のある志賀直哉の代表作である『暗夜行路』の捩りだろう。思いのほか時間がなくなっていたので、パンとベーグルを買い、少し先にある、ここも素敵な自家焙煎・豆専門店「Classico」のアイスコーヒーで昼食代わりとした。

車で一時間ほどかけて鞆の浦に入る。宮﨑駿がこの地をいたく気に入り、『崖の上のポニョ』のモデルになったと言われている場所である。
いざ車で中心地に入ると狭い道に驚く。離合したりしながら恐る恐る進む。ただ車で通過するだけでも、その味わいのある街並みに目を奪われる。

海の方に出ると比較的広い道に出たので、ほっと胸を撫で下ろす。ナビはとても便利だが、こういうことがあると物は使いようだなと思った。

駐車場に車を止めて、長閑な海辺の家々の通りを散策していると、今回の「ヤンキー人類学」の展示に合わせて建てられたのかと思うような標石に出くわす。


もっとじっくり散歩していたいが、都築響一さんと上野友行さんのトークショーの時間に間に合わなくなると本末転倒もいいとこなので、「鞆の津ミュージアム」に直行する。


この「鞆の津ミュージアム」は、築150年にもなる蔵をアール・ブリュットまたの名をアウトサイダー・アートと呼ばれる既成の芸術にしばられていない作品を展示する美術館としてオープンした尖った美術館である。しかも鞆の浦という長閑で美しい場所に。


「ヤンキー人類学」。まずはいきなり相田みつをの有名すぎるポエムでお出迎え。ちなみに撮影は自由。アカデミズムを笠に着て、威張っているような上から目線ではないこういう姿勢がとても素晴らしい。ちなみに館内は、ヤンキー文化として展示されているパチンコの音と改造車のアクセルコールの音が反響している。


小部屋には北九州の成人式を成人祭の域にまで高めた立役者「みやび」の衣装や、成人祭の様子を伝えるスナップ群。成人式を体験しない人生だったので、いまだにこういう文化だというイメージが勝手に植えつけられている。


“ガイアが俺にもっと輝けと囁いている”で一世を風靡した雑誌「メンズナックル」キャッチコピーたちもしっかり展示物として紹介。


ファミコンゲーム『くにおくん』シリーズで馴染みはある(思えば、これが最初に接したヤンキーカルチャーかもしれない)が、こうして現物のメリケンサックを美術館の展示物として見ることになるとは思いもしなかった。


デコトラならぬデコチャリ。以前、新門司港の阪九フェリーターミナルに行く途中、見かけてあ然とした物をさらにデコレーションを高めた物が展示されている。福岡、それも北九州シーンはアツい。





かわいいなめ猫がプリントされたスウェット。先ほどのデコチャリも後ろにはミッキーとミニーがフューチャーされていたりと、実はヤンキーは可愛い物がとても好きなのである。
聴いていた音楽がディスコというのも面白い。代々木公園に派生した竹の子族もディスコを聴きながら踊っていたといわれているし、そこからディスコ文化ともきっと繋がりがあるのだろうな。



絶大なインパクトを持つメインフロアに鎮座するのは改造単車、その名も「CRAZY SPECIAL」。こちらも福岡県は筑後から乗り込んで来た。素晴らしいフォルムはベニヤ板で出来ており、このポップなカラーリングはポスカだという。当然、こんな形をしているとスピードは出せないそうだが、ここまで行くともはや芸術の域に達しているなとつくづく感心する。


蔵の中にしっかりと収めたコンパクトなデコトラまたの名をアートトラックもばっちり展示。キティちゃんとルイ・ヴィトンが同居するという、このセンスが素晴らしい。

福岡で都築さんを呼んだSさんと、都築さんマニアの女性と再開。日帰りの弾丸ツアーであるが、他にも大阪や東京、北海道まで都築さんがこの鞆の津ミュージアムに目掛けてやってきている。都築響一さんという熱は伝播し、人を突き動かすのである。

都築響一さん、上野友行さんのトークショーは鞆の津ミュージアムのすぐ近くに位置する「鞆こども園」で行われた。ヤンキーや裏社会をテーマに話をするにはあまりにも相応しくない場所ではあるが、その自由さ、大らかさもまた素晴らしい。

こども園に貼られた、AKB48の岩佐美咲「鞆の浦慕情」に食いつく都築さん。
障害者の作品を展示をするためにはじまった、「鞆の津ミュージアムがどんどん脱線していき…まあ、ある意味、傷害者ですが」とブラックジョークをかまし、更に「でもさ、順番逆だよね。ヤンキー展があり、刑務所良品があり、最終的に死刑囚展にすべきだったね」などと最初っから飛ばしていく都築さん。

上野さんによる、地下格闘技の話。 現在の地下格闘技のルーツは映画の『ファイトクラブ』。当時は「山田うどん」(こちらでいうところの「牧のうどん」のようなロードサイド型チェーン店)の駐車場でやっていたという。ルールは3分1ラウンド。技術やスタミナがないので、それぐらいの短時間だという。ド素人の殴りあいなので見ている方は楽しいという。
ヤンキーは上下関係がはっきりしていて、後輩がしっかりいるので70人とか100人とか平気でどんどん引き連れてくるので、チケットは外部に出回らないという。ふつうの格闘技ファンがなかなか見れないのはそのため。したがって必ずしも強くはないのに、大会の後半に出場する選手は、弱いけれど、それだけ“客”を持っている選手ということになる。

 暴走族向けの雑誌『チャンプロード』の出版社が総額27億円もの詐欺に遭った事件の話題。闇社会とか知っていそうなのに引っかかるというのはいかがなものかという話から、旧車會の集会や地方での各地の動きにメディアがついていけていないという状況からメディア論へ。
ある意味、ひとつの伝説を確立した『小悪魔ageha』の出版社の倒産に伴う休刊、飯島愛の追悼ページが完全にアートだという話。

ファッション雑誌に連載をしていて思ったのは、かっこいいのはそのモデルであって、必ずしも誰しもがブランドが似合うわけではないという話から、誰でも似合う服となると、女ならお水スーツ、男は極道ジャージという。
担当していた女性編集者にお水スーツを着せて写した写真を見せながら、着た瞬間にお水に見えてしまうというのを表す一枚。 こういうお水スーツは通販カタログで購入するという。会社はだいたい岐阜にあり、しかも24時間コールセンターで日英中韓4ヶ国語に対応しているというから、ぶったまげる。

 ファニーな犬のイラストが目を引く、極道ジャージのガルフィー、ルイバーサスの話。撮影をお願いしたところ、Yシャツの上に着るのが通だという。 今回の展示に合わせてやってきていたキメキメの「BIRTHJAPAN」という極道ジャージなどを扱うお店を経営されている石川さんの紹介。農家とフィリピンパブが軒を連ねる中、シャッター商店街の中で悪ガキ製作所の看板を掲げて営業しているという。 当然、周りからは嫌な顔をされているそうで、なかなか大変なようだ。

お客さんが暑いから切ってくれといって持ってきた服を切って七分袖にしたりするというのは顧客の方を向いているという意味で、そこら辺有名なお店とは違うという話もとてもおもしろい。

極道の方のイメージのあるセカンドバッグ、アタッシュケースはスーツ、ジャージどちらにも合うという話も慧眼。 上野さんが以前セカンドバッグの中身は何かというアンケートを親分にとったところ、本が多く、読書家だったりするという。そのきっかけが刑務所に入ってやることがないから読みだしたというのが面白いし、何を読んでいるかというと、色々読み漁った末にベストセラーになるという。例えばそれが東野圭吾だったりするのが面白い。凝り性なのでイヤフォンマニアになったり。聴いているのがヒップホップや、若い愛人経由で西野カナだったりするという。

ヤクザ文化とは切っても切れない刺青の話。プロとアマチェアの見極め方。アマチェアは自慢するかのように出しているが、プロは隠すという。専属の彫師を雇っているというのも凄いし、彫師としてもその方が稼げるのだという。 いまは分かられないように、隠語を使う。例えば組のことを会社と言ったり、しかしその世界に浸かっているせいか、おじさんと言っているつもりが叔父貴とかパンピーが使わない単語が飛び出したりするのはご愛嬌か。  ベルギー人のカメラマン、アントン・カスターズが撮ったヤクザの写真集『ODO YAKUZA TOKYO』について。アントンが歌舞伎町で呑んでいたら、ふらりとヤクザの方が入ってきて、そのかっこいい佇まいにすごいなと思って、一年ぐらいかけて口説いて写真集を撮ることになったという。ただし日本では発売をしない、写真展をやらないことを条件に。日本のその手の雑誌記者が撮るようなヤクザとは違った、センスの良さ、こう言っては何だけどかっこよさを感じる。いつかこの写真集を手にしてみたい。 写っている合宿の姿を見て、これは右翼団体ではないかという上野さんの指摘。政治結社にすることで合法的に恐喝できるようになるから右翼団体をつくることが多いのだという。

さらにヤクザは野球が好き。刑務所の中でソフトボールを覚えるのがきっかけになるという。いままで、まともなバットの使い方を知らなかったという話に爆笑。シャバに出てきて草野球チームをつくることも多いらしく、勝負ごとにこだわるせいか、次第に有力高校のピッチャーを連れてきたりしだす。そうなると向こうも助っ人を投入して、代理戦争状態になって、最終的にヤクザはベンチに座っているだけ、という話は絵面を想像しただけで笑えてしまう。

長い懲役が出世するシステムが昔はあったのに、今はなくなったという。 シャバに出たらすごい額の慰労金などがかつてはあった。 関東連合はあくまでもヤクザではなく元ヤンだという。早飯早糞が基本。親分より先に橋を置かなくてはいけないので、結構なスピードになる。親分もそうやって育っているので当然早い。例えばカップ焼きそばのUFOを三口で食える。

続いて、『刑務所良品』という本も出版している都築さんの刑務所話へ。 8:2の割合で男子が多く、女子刑務所は全国で7つぐらいしかない。男子はキャラ(性格)や罪で分けられる。いちばんすごいのは千葉刑務所。取材に行った当日、職員と一緒にご飯を食べたが出てきたのが、インドネシア風のカレーに春雨サラダ、おすましという凝った献立。元帝国ホテルのシェフで懲役刑のやつがいるからだというのが理由だそう。千葉刑務所はお神輿をつくっているという。刑務所内での全国のコンテストがあり、そういう時は一致団結して作るのだという。
刑務所で作られる品々は、オリジナリティを求めず、いちばん普通の物をつくらせるということを前提としている。ひとつだけだと大したことはないかもしれないが、全部刑務所製品で集めたらどうなるかというのを表した写真がなかなかのインパクト。ある意味、それが日本の標準を表しているとでもいうべきか。

岩国の女子刑務所の話。『女囚さそり』の世界と思いきや、すごい高齢化。エアロビをやっていて、アバの「ダンシングクイーン」が流れていたりするというからものすごい。 7割はシャブ中。ヤンキーの間ではシャバに出た直後はモテキだという。理由が締りがいいため。とはいえ、高齢化している現在はまた変わってきているのだろうか。ASKAの話も含め、遅咲きで悪いことをはじめると止められなくなるという。
非行をするなら若い内と、説得力のある話を“こども園”でする上野さん。

北九州は左翼グループが強く、北九州の屋台はお酒が出ない。立ちションベンすると汚いからやめてしまえというのがその理由だという。北九州は物騒だというが、ヤクザが無差別に襲っているわけではなく、その左翼グループをピンポイントで襲っているからだという話には慧眼。むしろヤバい地域は久留米、大牟田で流れ弾が飛び交う、かなりのデンジャラス・ゾーンだという。

広島市現代美術館でやった都築響一さんの展覧会「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」で、その圧倒的なインパクトをもって展示されていた単車の話。広島市で暴走族撲滅運動をやっていた時期と重なっていたので、ちょっと物議を醸したという。
暴走族は絶滅しつつあるが、もっと絶滅しているのがレディース。ということで、DOMMUNEでも紹介していたレディース向けの雑誌『ティーンズロード』が作ったビデオを上映。「全国制覇を目指しているんで、夜露死苦〜(夜露死苦!!)」 のリフレインが頭にこびりつく。アクセルコールを外国人に見せるとすごく驚かれる。日本だけといってもいいし、これこそがクール・ジャパンなのかもしれない。
都築さんファンの間ではご存知、水戸黄門のアクセルコールには爆笑とともに拍手まで巻き起こる。 先輩ごとに曲目が決まっているという。勾留されている仲間がいたら、そいつのために持ち曲を奏で、エールを送るといういい話はたまらないものがあった。


トークショー終了後はサイン会。都築響一さん。「性技の味方スーハーマン」Tシャツに反応してもらったのは嬉しかった。


上野友行さんに、となりにいる強面の方が「BIRTHJAPAN」の石川さん。


福岡からとんぼ返りするSさん達をバス停で見送り、日が沈んだ直後の群青色のような鞆の浦の景色に見惚れる。今度はじっくりと観光したいな。

駐車場へと向かっていたら、先ほどのトークショーで目についた女性2人と外国人の男性1人の3人組とばったり。初対面もいいところだけど、同じ時間を共有すると何だか互いに声をかけやすくなる。訊けば、今夜泊まる宿は尾道のゲストハウス「あなごのねどこ」だという。実はこの時点で本日の宿は決めていなかったし、実はそこが本命だったので、じゃあ僕らも泊まりますと宣言。また後で会いましょうといって、それぞれ車に乗り込む。こういう楽しさこそ、旅の醍醐味という感じではないだろうか。

車の中で電話をして宿の確保も完了。1時間弱で尾道へ戻る。明日、行く時間があるか分からないし、千光寺からの夜景って見たことなかったので行ってみることにする。昼間は有料の駐車場も、夜は自由に止めていいようで、ちゃんとライトアップもされている。



夜景は佐世保や長崎に比べると見劣りはするが、これはこれでまた違う良さがある。


入り口は昔の小学校をイメージしたカフェになっている「あなごのねどこ」。新潮社『考える人』の特集、日本の「はたらく」で、尾道空き家再生プロジェクトとして紹介されていたので以前から気になっていたのだった。
尾道は過去に別の2つのゲストハウスに泊まったことがあるが、楽しさ、独創性、完成度ではここが一番。

カフェは通らず、その、うなぎの寝床のような狭く、細長い長屋を抜けたところにゲストハウスの受付がある。


チェックインして、設備の話を聞いた後は、尾道の夜の街で腹ごしらえ…のつもりが、行きたいお店がタッチの差で閉店、もしくはお休みだったりで空振り。

たまたま開いていた「居肴屋 馬口」に入る。かなりメニューが豊富だが、若いオーナーが一人で作っているというから驚いた。屋号の馬は、ここら辺で馬刺しを食べるお店がなかったので、自分がやろうと思ったという。熊本の馬肉を使用しているとのこと。せっかくなので瀬戸内で採れたものを、ということで食べたシャコが美味しかった。


「あなごのねどこ」に戻ってきた頃には、先ほどの3人組や1人旅で来たという泊まり客、当直のスタッフらで出来上がっていて、何とも和気あいあいとしていて、とても楽しい雰囲気。理想のゲストハウスってこういうことを言うんじゃないかなと思ったりした。


何とも充実した1日であった。心地よい疲れがとても良い睡眠導入剤となった。